超短時間雇用

2018.02.09 Friday 15:00
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    「働き方改革」は現内閣の中心施策の1つですが、そういうことを正面きって打ち出さなければならないほど日本は、障害を抱えた人たちに大変な国なんだと、先日、東大先端科学技術研究センターの近藤武夫准教授の「超短時間雇用という新しい働き方のデザイン」という講演を聴いてあらためて思いました。

     

     

     近藤准教授によると、日本の伝統的な雇用の形態は、労働者が自分に得意な仕事を求めるというより、採用された企業・事業所から指定された仕事をこなすことが求められます。〇〇会社に採用されれば得意・不得意に関わらず例えば営業に回され、その次は総務など管理部門に異動し、さらに支店などの責任者として経営の一端を担いながら昇進していく、といった具合です。

     

     必要とされる能力は何でもできる汎用的能力、新しい職場にもなじみやすいコミュニケーション能力、タフネスさなど、暗黙の要件として長期就労、様々な仕事への対応、管理職に就くためのスキル習得、長時間勤務など、雇用条件は年功序列賃金、長期で任期の定めのない雇用―などが挙げられると言います。確かに自らを振り返っても当たらずとも遠からずといった感じです。

     

     これに対して何かしらの障害を抱えた人には、1つことならできるけど同時並行的に2つ以上の仕事は難しい人、他人とのコミュニケーションをとるのが困難な人、体力的に長時間の勤務が不可能の人、などが大勢います。

     ところが日本の社会福祉・セーフティネットは週20時間以上働かないと雇用保険に加入できなかったり、どんなに冬の寒い時期には仕事ができないと言っても年間を通じて働くことを求められたりして、健常者と目に見える壁が存在します。

     

     「働き方改革」には「同一労働同一賃金」というテーマがありますが、これは従来の日本型の雇用から仕事に応じて賃金を支払うという方向への転換です。そのための1つの手法として、業務集中が起きている部署で必要な業務を定めて、従来の雇用形態では就労困難であった人たちの就労の機会を作り出すことなどが考えられます。やった仕事に対して給与を支払うというやり方です。これならたとえば週5時間のような超短時間労働でも、対象者は職と給与が得られるということになります。

     

          近藤武夫先生

     

     簡単とは思いませんが、いま、富士市UW支援センターが協力企業にお願いしている「業務分解」の考え方はこれと似た考えです。特殊な技術を持った社員がその特性を活かすためにも、その社員にとっての雑務を他の人に任せるということができれば双方にとっていい話だと思いますが、いかがでしょう。

     

     

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